2010 PC カンファレンス実行委員長
水原 克敏 東北大学大学院教育学研究科
2010PC カンファレンスは東北大学で開催されることとなりました。
今年の全体テーマは,「2つのソーシャル―みんなでつながる,みんなでよくする―」です。
PCによる情報革命は,様々な世界の人々との交流を一挙に拡大し新たな可能性を広げつつあります。これを最大限利用し,新しい時代を創出したいと思います。
しかし,私には明るい未来を見出せないでいます。それは人づくりの問題です。秋葉原の無差別殺傷事件(2008年)や中学生の親殺し事件(2009年)など,病んでいる時代の膿が噴き出しています。青少年の中には,殺人者の心境に共感している者すら現われていますので,今後も時代の進展次第では,第2・第3の事件が起きかねません。生徒はもちろんのこと,教員や保護者も人間力が落ちてきていますので,私にはとても危険な状況にあると感じています。
PCが社会の中心に位置づくにつれて,ますますマイナスの副作用が増大しているように私には思われますが,それはPCを媒介とすることによって人と人との交流が本物になっていない,あるいは分断され孤立化されているからではないでしょうか。
今回のテーマは,「2つのソーシャル ―みんなでつながる,みんなでよくする―」ですが,人と人がつながるという意味でのソーシャルとより良き社会をつくっていくという意味でのソーシャルの2つの意味が込められています。この2つは,本当に時代の課題ではないでしょうか。
今こそ,人間にとってのPC利用はいかにあるべきか,これを再考すべきステージにあると思います。グローバル社会の多文化共生時代に合致した,新たなPC利用のコンセプトを創出しなければなりません。
2010PCConference
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